突然ですが、庭に生えている梅の木に、キノコが生えました。
雨が降った次の日に梅の木を見たら、こんな風になっていました…。
木からキノコが生えるって、どういうことでしょう??
……
私は知らなかったのですが、キノコの菌に感染してるってことなんです。。
キノコの本体が、木の中にいるってことです。
ということは、キノコの傘を取り除いても、また中から生えてくる、ってことです。
無限キノコ!!
考えるだけで怖すぎ。。
しかも、キノコの菌には、
- 菌根菌(きんこんきん)
- 腐生菌(ふせいきん)
という種類があって、木に生えるのは腐生菌がほとんどだそうです。
腐生菌のキノコは木を腐らせてしまう厄介なキノコで、木の中をスカスカにしてしまうんだそうです!!
この梅の木、外見からはとてもそんな風には見えません、、、
今年の春には花も咲いたし、新しい枝が今も普通に伸びてるし。。。
でも、キノコが生えたってことは、中は相当腐ってる可能性が高いんです。
ショックですねー。
さらに追い打ちをかけるのは、この梅の木、実は4,5年くらい前にもキノコが生えたことがあるんです!
ということは、すでにその当時から木の中が腐ってたかもしれないんですね。
知らなかったー。
菌根菌(きんこんきん)のキノコだったら大丈夫ですが、腐生菌(ふせいきん)のキノコだったら、もう回復は難しいかもしれませんね。
今回は、木にキノコが生えてしまった場合の対処方法、駆除方法と、原因、予防方法などについてご紹介します。
1.キノコの知識
先ほども書きましたが、キノコは、
- 菌根菌
- 腐生菌
に分けられます。
キノコが何を食べて生きているかで分類されているようです。
菌根菌のキノコは、木の根っこと繋がって、木と栄養などを交換しながら共生するキノコです。木と共生なので、木にダメージはありません。
腐生菌のキノコは、腐ったものを分解して生きています。弱った木に感染してどんどん分解していきます。いずれ木を枯らしてしまいます。
ちなみに、キノコをもっと細かく分類する場合もあります。
- 菌根菌(木と共生する)
- 寄生菌(生きた動植物に寄生する)
- 木材腐朽菌(切り株や立木を腐らせる)
- 落葉分解菌(地上の落ち葉や枝を腐らせる)
- 糞生菌(動物のフンを分解する)
この中で3~5が腐生菌で、その中の3の木材腐朽菌が、木を腐らせるキノコです。
木材腐朽菌は、木の細胞壁を構成する、
- セルロース
- ヘミセルロース
- リグニン
を分解することで、木を腐らせます。
この木材腐朽菌は、さらに細かく、
- 白色腐朽菌(主にリグニンを分解)
- 褐色腐朽菌(主にセルロース、ヘミセルロースを分解)
- 軟腐朽菌(水分を多く含んだ樹木を分解)
に分類されます。
2.材質腐朽病の症状と対処方法
木が木材腐朽菌のキノコに感染すると、材質腐朽病になります。
2ー1.材質腐朽病(ざいしつふきゅうびょう)の症状
材質腐朽病になると以下のような症状が出ます。
- 木にキノコが生える
- 木が腐朽してスカスカになる
- 腐朽部分は徐々に拡大する
- 木に空洞ができる
- 木が枯れる
- 木が倒れる
- キノコから胞子を飛ばして勢力を拡大する
2ー2.材質腐朽病になりやすい環境
- 幹や枝に傷口がある(剪定や昆虫)
- 周囲に腐生菌に感染した木や木材がある(発生源)
- 湿度が高い
- 木が弱っている
空中を飛んでいるキノコの胞子が、傷口から木の中に侵入すると、そこから感染が始まります。
2ー3.材質腐朽病の予防方法
- 木の傷口に殺菌剤を塗る(トップジンMペーストなど)
- キノコに感染した腐朽材を周りに置かない
- 乾燥
- 木を弱らせない
2ー4.材質腐朽病になってしまったときの対処方法
腐朽菌に感染してスカスカになった部分(腐った部分)を完全に除去できればいいのですが、不可能です。
そのため、対処方法は、
か、
か、
になると思います。
木を処分される場合は、数千円くらいからなので、お近くのプロに相談してみるといいかもしれません↓
3.梅の木に生えたキノコの駆除作業の様子
では、梅の木に生えたキノコを駆除したときの作業の様子をご紹介します。
3ー1.生えてたキノコは何?
まず、キノコの種類を調べてみました。
その結果は、、、
「アミスギタケ」
でした。
ちなみに食べられません。
裏側はこんな感じ↓
「アミスギタケ」は腐生菌です。。。
なので、梅の木の中はすでにスカスカのはずです。
3ー2.腐った部分を削り取る
木が乾いてからあらためて幹を見てみたら、やはり相当傷んでましたね。今まで全く気が付かなかったです。。。
どうやって削り取ればいいかよくわからなかったのですが、こういうものを買ってきました↓
で、削ってみました↓
想像以上に広範囲でした。
感染している部分はスポンジ状でフワフワしていました。
幹の中心部分は固いままだったので、どうやら感染しているのは周りの部分だけのようです。
本当は、感染してスポンジ状になった部分を全部きれいに取り除きたいのですが、実際には、形状がかなり入り組んでいて、どうしても完全には取れません。。。
あと、スポンジ状の部分をどんどん下に向かって削っていったら、地面に届いてしまいました。根っこの方まで感染しているようです。
根っこまで削るのは無理なので、ここで諦めました。
やってみてわかったのは、
ことです。
もしかして私がやったことは、キノコの胞子を撒き散らしたことだったのかも。。。
そんな気がしています。。。
もしそうだったら、いずれ地面から、無数のキノコが生えてくるのかな。。。恐怖!!!
3ー3.殺菌剤トップジンMペーストを塗る
予定では、ここで削り取った部分にベンレート水和剤を噴霧してヒタヒタに消毒してからトップジンMペーストを塗るつもりだったのですが、うっかりベンレートを忘れて、直接トップジンを塗りました。
トップジンMペーストを塗った結果、梅の木の方は、かなり衝撃的な姿になっております。
殺菌がうまくいくといいけど。。。
3ー4.木の周りのお掃除
まだ作業はあります。お掃除です。
日当たりや風通しを少しでも良くして、キノコが感染しにくい環境にする必要があります。
普通なら、落ち葉や雑草を取り除けばOKなのですが、今回は、幹の腐食部分を削り取った際に、多量のキノコの胞子を地面にまき散らした可能性が大きいです。
そのため、できるだけ木のくずを拾い集めて回収する必要があります。
お掃除前↓
お掃除後↓
頑張ってここまできれいにしましたが、削り取った小さな木のくずが、地面の土の中に入ってしまってどうしても取り除けません。
…これ以上のお掃除はあきらめました。
3ー5.ベンレート水和剤を散布する
ではどうするか。。。
効果があるのか分かりませんが、木だけでなく、地面にもベンレート水和剤を散布することにしました。
3ー5ー1.必要な道具
薬剤を散布するために必要な道具は、
- ベンレート水和剤
- スポイト
- 空の容器
- ダイン(これは、なくても大丈夫です)
- 漏斗
です。
私はいつも、ペットボトルで薬液を作っています。水の量が計りやすく、手軽なので非常に便利です。
ダインは展着剤ですので、薬液に1,2滴混ぜると噴霧した薬が葉っぱに残りやすくなります。
薬の成分を葉っぱに良く吸収させるためには、できればダインがあった方がいいです。
3ー5ー2.薬液を作る
ベンレート水和剤は、梅の木の場合2000倍に希釈して使います。
1包に0.5gの粉が入っていますので、1リットルの薬液が作れます。
ペットボトルにベンレートの粉を入れて、1リットルの水で薄めてダインを1,2滴加えたら完成です。
これを、噴霧器に移し替えて、梅の葉っぱや周りの植物に噴霧しました。
地面にもまきました。
うまく殺菌できてるといいんですが。。。
これからしばらくの間は、他の殺菌剤とローテーションしながら、消毒を続ける予定です。
4.その後の様子
キノコを駆除したのは、去年の5月でした。
それから10か月が経ちまして、3月になりました。
去年は、秋ごろまでずっと、1か月に1,2回くらい梅の木にお薬を散布していましたが、寒くなって葉っぱが落ちてからは、何もしていませんでした。
が、3月になり、梅の木に変化がありましたので、今の様子をお知らせしたいと思います。
それは、、、
…
今年も、無事、きれいなお花が、咲きましたよ~
一方、木の方は、、、
今のところ、キノコらしきものは生えていません。
でも! これからだんだん温かくなってくると、キノコが生えやすくなります。
なので、今年も、
- お薬の散布と、
- 木のまわりのお掃除
を続けたいと思います。
5.キノコ駆除のまとめ
木にキノコが生えてきた時の対処方法についてご紹介しました。
今回は、木の腐食部分を削り取ってみましたが、完全に削り取ることは不可能でした。
かえってキノコの菌を周囲にまき散らしてしまった可能性もあります。
そのため、腐食部分を無理に削り取るようなことはせずに、殺菌剤だけ散布して、そのままそっとしておいた方が良かったのかもしれません。
しばらく様子を見ていきたいと思います。
きっとキノコには勝てないだろうなぁ。。。
共存していくしかないのかな。
もし木を伐採される場合は、数千円くらいからお願いできるので、お近くのプロにお願いしてみてはいかがでしょうか↓
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。